2015年06月11日

アップルウォッチを買った

アップルウォッチを購入した。
アップルウォッチは、5万円前後のスポーツタイプから、200万円もする高価なエディションシリーズまでを展開しているのだが、その中のビジネスタイプのものを購入した。
価格差はあるがシリーズ間での機能差はまったくない。これほどの価格差が同一モデル内にあるのだから当然大きな機能差があるものだと思ってしまうのだが、そこはさすがにアップル、見事にそんな期待を覆している。

私自身は、個人的に元々アップル派であるので、このウォッチの機能はとても重宝しているが、それに加えてデザインがやっぱり秀逸である。
以前、ソニーやサムソンでも同様な「スマートウォッチ」が発売された際にも試着をしてみたことがある。
元来こういったガジェットが大好きな私は、このスマートウォッチなるカテゴリーの発売をとても楽しみにしていたので、アップルに先行して発売されたこれらブランドのスマートウォッチも、衝動買いをしてしまうのではないかと心持ち心配しつつ店頭へと足を運んだ。
しかし、結局は数万円を出費してまで購入したいと感情を揺さぶられることはなかった。

今回このアップルウォッチを購入する時にその差が何なのかを考えてみたのだが、そこに「ウェアラブル」というキーワードがあるのではないかと考えた。
アップルに対して私が抱いている企業イメージは、故スティーブ・ジョブス氏から引き継がれているDNAとして、あくまで生活者の中に最新テクノロジーを融合させ、より豊かなライフスタイルを私たちにもたらしてくれる、そういった開発を目指す企業というものである。

これまで開発されたパーソナルコンピューターやipod、iphone, ipadは生活者の”行動”における便益を提供してきたが、今回のウォッチはウェアラブルなものであるだけに、機能的便益だけでなく、洋服と同様に身につけることの喜びや満足といった、より情緒的な価値も大切にしたのではないかと想像する。
実際に、アップルでは数年前にイヴサンローランやバーバリーというラグジュアリーブランドの責任者を引き抜いた経緯もあり、彼らの経験や知見もこのウォッチ事業の開発に必要であると考えたのだろう。

製品の機能や技術面からの視点をスタートとして開発するのでなく、あくまで使用する「人間」を中心に製品を開発すべきであると考えていることから、これまで高級時計を愛用してきたような高所得顧客層にもアップルウォッチを利用してもらいたいと考えたとき、アップルは、彼らが満足するための開発には、着用時の心理的な価値についても問題解決をする必要があったのであろう。
その答のひとつが、冒頭でも説明した18金を使用した200万円の価格帯であったのだと思う。

その他、心地よい音質や、電話着信時やアラーム時にそっと手首を叩いて知らせる動作など、五感すべてで楽しませるような工夫もされている。

このような評価が総合的な価値となり、どことなく携帯電話の縮小版的イメージの他社スマートウォッチには感じえない魅力をアップルウォッチは持っているというのが私の結論だ
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posted by [w] axis at 17:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月29日

「感性」を機能に加えることの大切さ

休日によくテニスを楽しんでいる。
そして、最近インナーウェアに米国ブランドのアンダーアーマーの”コンプレッションウェア”を購入した。
この”コンプレッションウェア”というものは、体に沿ってフィットしながら適度な圧をかけるスポーツ用のウェアで、主にはスポーツのパフォーマンスを向上するための運動時の筋肉振動の抑制効果や疲労回復効果などが期待できるウェアである。
中でもアンダーアーマーというブランドは、米国の元アメリカンフットボール選手が創業したブランドであり、彼自身の体験から、パフォーマンスをより向上させることに特化したウェアの開発を目指し、現在では世界的なブランドにまで成長している。

私は以前、大手スポーツメーカーに勤務していた時代、同様の商品の開発にも携わっていた。そこで開発されたコンプレッションウェアは真にパフォーマンスを向上させるべく様々な科学的な検証が行われており、多くのトップ選手からも高い評価を得ていた。
しかし、残念ながら実際の販売店では長年このアンダーアーマー社がトップシェアを誇っている。
当時は、自社製品が高い効果を実証できていただけに、消費者が着用時に比較すれば必ず自社製品を購入してもらえるものだと関係者一同は自負していた。
もちろん、当時から米国ブランドは販売促進などへの投資力から、ブランド認知を高めることに長けていたため、その点では自社製品に不利であるものと認識していた。

しかし、今回同社のコンプレッションウェアを一人の消費者として着用してみると、その圧迫具合がとても気持ちのいいものであることに気がついた。
逆に言えば、それほど高いパフォーマンスを期待できるとは思えないもののの、着用することでこれまでよりも高いパフォーマンスが発揮できる”いい感じ”がしたのだ。
実は、以前携わっていたブランドのコンプレッションウェアは、数値的に効果性の高い科学的実証はある反面、コンプレッション(伸縮力)が高いために着脱時に一汗かくくらいのエネルギーを要し、それが気になっていた。
確かに、シューズやラケットなどの「ギア」はその性能向上に比例して技能の向上も期待できるので、趣味スポーツ人にとっても新製品の話題は尽きない。
しかし、一分一秒を争うトップ選手でない私たち趣味スポーツ人にとっては、必ずしもパフォーマンス力だけでなく、この「気持ちよくスポーツをする」や「モチベーションが上がる」ことも、大切な購買動機であり、趣味でスポーツする多くに人にとってはこの動機の方がむしろ重要な場合も多いのではないかと思う。

先日見た新聞記事に、ゴルフクラブで有名な「ゼクシオ」ブランドの「感性の数値化」という開発秘話が紹介されていたのだが、そこでも同様なことが指摘されていた。
その内容は、同ブランドを開発したダンロップスポーツ社が、それまで屋台骨を支えていた「キャロウェイ」ブランドとの独占販売契約終了の危機に直面し、その危機を乗り越えるべく、いかにして新ブランド開発を行ったのかについての話であった。
いまでは日本のトップブランドとなったゼクシオだが、その開発コンセプトは、当時主流であった飛距離競争とは一線を画し、「打ちやすさ」や「打球音の心地よさ」を追求したものであった。その背景には米国のキャロウェイブランド取扱い時に学んだ米国での開発方法が深く影響を及ぼしていたという。
そしてそれは、日本では主流のロボットによる試打ではなく、米国流の生身の人間による試打を重視する方法であり、人間が試打することで得られる様々な感覚を商品に反映するという考え方であった。
ゼクシオはこのように「打感」の高い評価によってあっという間に一流ブランドとして評価されることとなった。そしてそれは、上述のアンダーアーマーの事例と同様に、多くのアマチュアゴルファー(でも市場も大きく、相当熱心な趣味ゴルファー)から支持されているからだ。

我々日本人のほとんどは、日本製品の品質や技術力が世界の中でトップレベルであることを信じているし、それが日本製品の強みであると自負している。
だからこそ、その技術力を盲信することなく、製品を使う「人の気持ち」にももっと焦点をあてるべきだと思う。
上記の二つのケースはそれを物語っているのではないか。
例えば、今後高齢化が進む社会などでは一層こういった使用者が”使用するときの気持ち”を大切にする製品が重要になってくる。
誰かが世界に向けて日本人の「お・も・て・な・し」の心を代弁してくれた。
この心を持つ我々日本人なら、これまで日本産業が培ってきた機能面や技術面での開発だけでなく、精神的な
高まりも伴うような「生身の人間」が使用する製品の開発もきっと可能だと思う。
posted by [w] axis at 17:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「会社案内」の使い方

先日、印刷会社の担当の方と打ち合わせをした時のこと。
ある会社の会社案内用パンフレット製作についての議論をしていた。
今回、そのパンフレットにいかにブランディングを反映させていくかの細かな擦り合わせをしていたのだが、
その中で挿絵的に使用するイメージ画像をどうすべきかの話の途中、興味深い話が伺えた。
議論のポイントは、有料画像を利用して会社カタログのイメージをより高める案と、コスト重視で挿入画像を自社で撮影したものとどちらを使用すべきかということだったのだが、そこで、あるマンション管理会社の会社案内パンフレット製作にあたり、管理風景のひとつとして管理人の姿を有料画像に変更したときの事例であった。
その画像は、社内検討の結果、最終的には溌剌として若々しい人物像の有料画像を採用して掲載することになったのだが、会社案内パンフレットのイメージ向上にそれが寄与したことはもちろん、その後日談として、管理人の応募者にもこれが好影響を与えたという。
それまではどちらかと言えば、現役を退いた高齢者で、あまり好印象でない方が管理人として応募することが長く続いていたのが、この新しい会社案内が発行された後は一転して、会社案内に掲載された人物像に近い、溌剌として元気な応募者が急増したとクライアントから喜ばれたとのことであった。

画像を使用するにあたっての自社利用か外部利用かは、それほど高額な金額差が発生するものではないから、応募者の質が大きく変化したことは多いに会社へ貢献できたこととなる。
特に、中小企業となれば優秀な人材を恒常的に採用することは容易ではないだけに、たかが会社案内パンフレットの中の一画像であれ、事業にも十分よい影響をもたらすことができるのだ。
posted by [w] axis at 17:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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