2013年07月31日

清掃会社のブランディング

東京都内に事務所を構えていると、オフィスビル内で目にする機会が多いのが清掃管理会社の社員だ。
仕事がらブランディングについて考える際にふと、この清掃会社へのブランディング提案が面白いのではないかと思った。
多くのオフィスやビルメンテナンス会社が、清掃を外部業者に依頼することは多いのだが、オフィス内や洗面所などで見かける清掃担当者は概して、オフィス内環境を損なわないように、周囲と自然に溶け込むような様態で業務を行っている。その結果、周囲の人々からは、どの清掃会社も企業名や業務に携わっている人たちの姿を記憶されることはほとんどない。業者側が、その存在を消し去りながらビル内を回遊するよう努めることが、自分たちの使命のひとつであるかのような印象だ。
都内であれば清掃業者の需要は今後も増す可能性も高いし、一方で競合各社も増加傾向のようである。そういった状況下だからこそ、清掃会社にブラディングを採り入れることは一考の余地があるのではないかと思う。
積極的にビル内環境を、より豊かにするような清掃業者の総合デザインや周囲の人々に積極的に記憶に留めてもらえるような企業ブランディングががあれば、きっとその業者が指定される可能性が高まるのではないか。
参考になるのはSECOMやALSOKなどの警備会社で、警備という非日常的な業務でありながら、一般家庭でも抵抗なく企業ブランドとして認知されるようになったのは成功事例だ。
そう考えると、清掃会社のブランディングは取り組み余地の大きな事業機会であると思う。
因みに、ディズニーランドのカストーと呼ばれる清掃担当者は、来場客たちの「何を拾っているのですか?」の問いに、「思い出のカケラです。」と応えるのだそうだが(実際は人によって違うらしいが)、そんなエンターテイメント性が加わったブランディングができればオフィス環境も一層心地よくなるのではないか。
posted by [w] axis at 15:04| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月25日

大学講義にて

先日、神戸市にある流通科学大学でケーススタディ講義をする機会があった。以前から学長の石井先生と懇意にさせていただいたこともあり、今回の機会をいただいた。
大学に足を踏み入れるのは数十年ぶりであったし、また学生は自分の子供のような年齢でもあることから、どういった話をすれば彼らの注目を得ることができるのか、事前にかなり悩みながら準備を行った。
当日は、中国事業についての進出の経験談を中心に、日本と中国の文化差異や事業に与える影響などをなるべく平易なプレゼンテーションを使用して講義を行った。
果たして講義中は爆睡する学生もチラホラ散見されたものの、意外に多くの学生は最後まで講義を聴いてくれた。
後日、担当の先生より学生が記述した課題レポートをいただくことができた。約60名分のレポートは、一部は明らかに講義を聞いていなかったり、ただ講義内容を要約しただけのものであったが、予想外に多くのレポートは、紙面を埋め尽くして自分自身の感想をきちんと述べたものであったので、一気にすべてのレポートを読み尽くしてしまった。
興味深いことに、細かな点では個人個人の感想の差はあるものの、大きな傾向としては明らかに、講義中の出来事やコメントに同じような反応をしていた。
自分自身が事前に想定していた強調点にも反応はあったものの、驚いたのは、私が無意識にコメントしたことにも一様に反応していたことだ。
なぜ学生が同様にこれらのポイントに反応したのかの背景を、今回のレポートからだけでは到底理解することはできないものの、自分の講義がどのように受けとめられているかを聴講者の立場から客観的に確認できたことはとても参考になった。
自分が発信していることが、どう相手側に受け止められているかを確認する場面は日常的にはないために、気をつけていても、ともすれば独善的な発信をしかねないことが多いのではないかと思う。
仕事がらいろいろな発信をする機会が増してくると思うのだが、こういった事後感想などをいただく機会は自分への戒めの点でとても貴重な機会だと思う。
何十枚ものレポートをコピーして手渡していただいた担当の先生に感謝したい。
posted by [w] axis at 10:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月09日

スイッチングコスト

先日、投資ファンドに勤務されている知人と会食した際に聞いた話を。
彼の会社は企業の持続的競争力を分析しているが、産業の中で外食産業が最もその持続的競争力が弱いという。
その話を要約するとこうだ。
「100年企業なる、長期にわたり安定的経営が持続できる会社の要因は何かを分析する中で、供給側と需要側の両面から外食産業はその持続性が弱い産業であることがわかった。他産業と比較して供給側においては、模倣しやすい、規模の経済性が限定的などが要因であり、需要側では、競合他社への乗り換えが容易であったり、代替店舗を探すことも容易である、などからである。」
つまり、外食産業は比較論として、簡単に真似できて他社に追いつきやすく、お客さんも他店舗に乗り換えることに抵抗が少ない、ということだ。
その論拠として、一時大きな成長を遂げたファミリーレストランが回転すしチェーンの台頭により業績の影響を受けたり、盤石と思われた回転すしチェーンもファミリーレストランのメニュー強化で業績が停滞するなど相関関係が明らかだからだそうだ。
需要側の、他社に乗り換えやすいことは「スイッチングコスト」が低いこと、代替品や店を探しやすいことは、「サーチコスト」が低いと表現するのだそうだ。確かに自分自身の行動に当てはめてみると、衣料品などの購入に比べ外食の方がスイッチングコストやサーチコストは低いと思う。
ここでふと思ったのは、スターバックスやマクドナルドでも同様なのかと。
スターバックスは、創業より「サードプレイス」という、自宅でもなく会社(学校)でもない心安らげる”第三の場所”の提供でありたい、というコンセプトを打ち出している。またマクドナルでは利便性とともに、多くの子供を惹きつけるブランディングを行っている。これらからは外食産業であるからこそ、顧客が容易に他社店舗に振り向かないようなスイッチングコストを高める意図がうかがえる。
一方で多くの外食産業は、味や値段、サービスなどの機能的価値には労を惜しまず、競争力に磨きをかけているものの、需要側の情緒的価値を高めることについてはそこまでの重要性を意識していないように思える。特に欧米企業との比較において、それが顕著ではないだろうか。
今後、日本の外食産業においてもこのスイッチングコストの視点からブランド戦略を考えることは持続的競争力を高める一助になるのではないか、そんなヒントがこの話には隠されていると思う。
posted by [w] axis at 16:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。