2013年05月07日

ブランド力はいらない?

日経ビジネス4月号「白物家電ウォーズ」の中で、最近サイクロン式掃除機で人気のダイソン会長のインタビュー記事が掲載されていたが、その中で「技術を追求する企業にとってはブランド力があると考え始めた瞬間こそ危機の始まりです。私はブランドを作ろうとはしません」というコメントがあった。
ブランディングコンサルタントを生業とする私たちには耳の痛い話である。
現在ブランディング関係者間では、「技術進歩は著しく、インターネットの普及などにより技術差はあっと言う間にキャッチアップされる。消費者にはそんな技術差はわからない、だからブランドが重要だ。いかに消費者に認知してもらいそして選択肢となるかだ」とブランディングを戦略として重視すべきと経営者に強調している。
特に、これまで技術ドリブンで事業を展開してきた日本企業に向け、グローバル競争を勝ち抜くための戦略としてブランディグが提案されている。
もちろん、このダイソン社の発言の背景には、長年ブランドというものが理解され社会に根付いている欧州文化との違いも読み取る必要はあると思うが。
今回私はこの記事を読み、当たり前のことだが、ブランド力は決して商品を勝手に強くする魔法でもないし、またそれによって技術者の技術への追求心を少しでも損なうことがあってはならないということを再認識させられた。技術の進化、革新による商品開発が最も差別化でき、価格競争力もある。だからこそ、本来日本企業にとって得意な領域なのである。ここをはずしてはいけない。
一方、記事本文中にダイソン社の広告宣伝に対し、ダイソン社の「吸引力の変わらないただ1つの掃除機」というコピーに関して以下の説明があった。
”日本の電機メーカー工業会加盟社は、「吸引力が落ちない」などの断定表現をしない自主規制がある。ダイソン社はその日本メーカーの弱点を突いた絶妙なクリーンヒットを打った”
この広告宣伝戦略は果たしてダイソン社が企図したものかは定かではないものの、いわゆるマーケティング戦略の一環であり同社もこれによる販売の恩恵は当然得ているわけだ。今後日本企業も工業会の自主規制緩和により、「吸い込み力の持続率」表記が許可されると後述されていたが、それでも消費者からはダイソン社のコピーの方が記憶に残るのではないかと個人的には思う。
最後に、ダイソン社の場合、すでにブランド力やマーケティング施策が成功していることあり、冒頭のコメントも説得力あるのだが、ブランディグコンサルタントの立場からは、ブランド力をつけることは決して表層的な打ち手ではなく、また技術力と密接な関係のある重要な戦略であることもここでは述べておきたい。
これについては今後またここで触れていこうと思っている。
posted by [w] axis at 15:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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