2014年01月21日

後継者の覚悟

今月から新しいNHK大河ドラマ「軍師 官兵衛」が始まった。
これを機会として、官兵衛の人物像や当時の戦国武将と官兵衛の関わりなどを勉強するために関連本を購読してみた。
その著述の中に、官兵衛が隠居後、嫡男長政の行く末をひどく案じる場面がある。
家督を継いだ長政は、父親のこれまでの功績を認めつつも、自身のスタイルを築き上げることを目指していたことから、家臣の意見を積極的に収集するための催しを重視していた。
ある日の会合で官兵衛が見守る中、長政は一人の若い家臣が具申した意見にいたく感銘し、全員の前で、その意見に従う旨の発言をした。官兵衛は長政のそういった執政の態度をひどく懸念し続け、後年死に際し、「城主とは一族を守るためには孤独を受け入れ、最後は自分自身で決断しなければならない」との遺言を長政に残したと記されていた。
この一節を読んだ時に、ある中小企業の若手社長にインタビューした際の彼のコメントを思い起こした。
そのインタビューは中小企業の後継者育成支援の一環として、ある雑貨系中小企業を訪問したもので、現社長のN氏が父親の先代社長からどのように会社を継承し、そして現在のように会社を発展させたのか、その過程での後継問題への対応とリーダーシップについて伺うためのものであった。
まだ40歳前のN社長は、会社経営者としては6年ほどのキャリアなのだが、たまに懇談する際、私はその経営観にいつも刺激を得ていた。それだけにその日のインタビューではどんな実体験の話が伺えるのかとても楽しみであった。
もともと寡黙なタイプのN社長は、自身が経験されてきた後継問題に多くを語ることはなかったものの、最後に「最も大切なことは"覚悟"ですね。親父の腹心の部下であったとしても、これからの新しい経営方針にとって障害となるのであれば、辞してもらうことを要求する覚悟は必要です。やはり最後に決めるのはトップです。」と強調されたことがとても印象深かった。いかにも温厚で朴訥としたN社長の口からこの発言が出るや否や一瞬にしてその場はピーンとした緊張感に包まれた。
この「覚悟」は、実際にその立場になった者でしかその重みは感じられないと思うが、多くの後継者候補の方とって意味深い二文字に違いないと思う。
posted by [w] axis at 10:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。